「明日からOJT(オージェーティー)に入るからね」
入社して数日、上司からこう言われて、私は思わず「おーじぇー……てぃー?」と聞き返してしまいました。
当時の私は、アルファベットの略語が飛び交う社内の会話についていくのが精一杯。
OJTだのOff-JT(オフ・ジェーティー)だのと言われても、「結局、仕事ってやりながら覚えるしかないんじゃないの?」と、その違いや意味が全くわかっていませんでした。
実は、この2つの教育方法は「学ぶ場所」と「学ぶ内容」がハッキリ分かれていて、どちらもバランスよく受けることで、成長スピードは一気に加速します。
この記事では、ビジネス初心者が知っておきたいOJTとOff-JTの決定的な違いを、それぞれのメリットと私の実体験を交えて解説します。
OJTとOff-JTの定義の違い|現場で学ぶか、座学で学ぶか
OJT(On-the-Job Training)とは
OJTとは、実際の仕事現場で、上司や先輩から実務をこなしながら教わる教育方法です。
- 実務を通して仕事を覚える
- 実践重視で即戦力になりやすい
- 個人のレベルに合わせて指導されやすい
例としては、先輩の営業に同行する、実際の資料作成を手伝いながら書き方を教わる、などが挙げられます。
Off-JT(Off-the-Job Training)とは
Off-JTとは、現場を離れて、研修やセミナー、外部講習などで理論や知識を体系的に学ぶ教育方法です。
- 基礎知識や理論をまとめて学べる
- 仕事の背景や「なぜ」を理解しやすい
- マナー・法律・専門知識の習得に向いている
新入社員研修、マナー講習、マーケティング研修、プログラミングスクールなどが代表例です。
私の実体験|OJTとOff-JTはセットで効く
私は最初、Off-JT(座学)ばかりで「早く現場に出たい!」と焦っていました。
ところが、いざOJTに入ると、座学で習ったはずの電話応対が全くできず、頭が真っ白に。
そのとき先輩に言われたのが、
「座学で“型”を学んだから、今できてないことが分かるんだよ」
この一言で、知識(Off-JT)と実践(OJT)はどちらか一方ではダメで、両輪で回すものだと腹落ちしました。
【比較表】OJTとOff-JTのメリット・デメリット
| 項目 | OJT | Off-JT |
|---|---|---|
| 学ぶ場所 | 実際の職場 | 研修室・外部会場・オンライン |
| 教える人 | 上司・先輩 | 講師・専門家・人事担当 |
| メリット | すぐに仕事で使える/実践力が身につく | 体系的な知識が身につく/理解が深まる |
| 弱点 | 指導者のスキルに左右されやすい | 現場ですぐ使えない場合がある |
研修を「成長」に変えるための3つのコツ
1. Off-JTでは「なぜ?」を意識する
座学では、「なぜこのルールがあるのか」「なぜこの手順なのか」を理解することが重要です。
理由を知っていると、現場で応用が効くようになります。
2. OJTでは必ずメモを取る
先輩の言葉や作業手順は、その人なりの経験が詰まった貴重な情報です。
メモを取って自分用の手順書を作ることで、成長スピードが一気に上がります。
3. 毎日3分だけ振り返る
「今日のOJTでできたこと」「Off-JTで学んだことがどう役立ったか」を振り返るだけで、知識が定着します。
まとめ|OJTとOff-JTを味方につけよう
OJTとOff-JTは、どちらが優れているというものではありません。
- OJTは、現場で技術を磨くための研修
- Off-JTは、知識と考え方を身につける研修
この2つを意識して受けるだけで、研修の吸収率は大きく変わります。
まずは明日、OJTで教わる内容を「これは座学のあの話だな」と結びつけて考えてみてください。
点と点が繋がる感覚を、きっと実感できるはずです。
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