「これ、ASAPでお願い!」
「参考までに、FYIで送っておくね」
入社して初めてのプロジェクトに参加した時、チャットツールを流れるこの「3文字のアルファベット」を見て、私は一瞬フリーズしてしまいました。
当時の私は、「ASAP(エー・エス・エー・ピー)? 読み方もわからないし、なんだか急かされているようで怖い……」と、意味をこっそりスマホで検索したのを覚えています。
最近では外資系企業だけでなく、国内の一般的な企業でもチャットやメールで当たり前のように使われるようになったこれらの略語。しかし、便利な反面、使い方を間違えると相手に失礼な印象を与えてしまう「諸刃の剣」でもあります。
この記事では、ビジネス初心者が絶対に押さえておくべき「ASAP」と「FYI」の決定的な違いと、そのまま使える例文、そして使う際の注意点を、私の実体験を交えて分かりやすく解説します。
この記事を読めば、もう謎の3文字に怯えることはありません。スマートに略語を使いこなし、スムーズなコミュニケーションを目指しましょう。
ASAPとFYIの定義の違い|緊急か、情報提供か
まずは、それぞれの正式な意味をシンプルに整理しましょう。
ASAP(エー・エス・エー・ピー / アサップ)
- 正式名称:As Soon As Possible
- 意味:できるだけ早く
- 役割:相手に緊急性を伝え、迅速な対応を依頼する時に使う
FYI(エフ・ワイ・アイ)
- 正式名称:For Your Information
- 意味:ご参考までに
- 役割:返信不要の情報共有として使う
【私の実体験:ASAPを上司に使ってしまった話】
新人の頃、頼まれていた資料が完成した際、良かれと思って上司に「資料できました!ASAPで確認お願いします!」と送ってしまいました。
後で先輩から「ASAPは命令に近い響きがあるから、目上の人に使うのはNGだよ」と優しく諭され、言葉の意味だけでなく「誰に使うか」が重要だと痛感しました。
【比較表】ASAPとFYIの使い分けマナー
| 略語 | 相手 | ニュアンス | 使う時の注意点 |
|---|---|---|---|
| ASAP | 同僚・後輩 | かなり急ぎ | 目上の人には原則NG。急ぐ場合は日本語で丁寧に伝える |
| FYI | 上司・同僚 | 返信不要 | 多用しすぎると事務的・投げやりな印象になることも |
そのまま使える!ASAP・FYIのビジネス例文
ASAPの例文
- チャットで同僚へ:
「〇〇さん、先ほどの会議のメモ、ASAPで共有してもらえると助かります!」 - NG例(上司へ):
「部長、この書類にASAPでサインをお願いします!」 - 正しい言い換え:
「お忙しいところ恐縮ですが、早めにご確認いただけますでしょうか」
FYIの例文
- メール件名:
「【FYI】来月の定例MTGの日程変更について」 - 資料共有時:
「競合他社の新サービスについて、FYI(ご参考まで)で資料を共有します。返信は不要です」
まとめ|ASAPとFYIは「相手との距離感」がすべて
今回は、ビジネスで頻繁に使われる「ASAP」と「FYI」の違いを解説しました。
- ASAP:緊急の依頼。同僚・後輩向け
- FYI:参考情報の共有。返信不要を伝えたい時に便利
これらの略語は非常に便利ですが、最も大切なのは相手との距離感です。迷ったら無理に使わず、日本語で丁寧に伝える方が安全です。
まずは明日、社内チャットで「FYI」を見かけたら、「情報共有なんだな」と理解するところから慣れていきましょう。



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