「〇〇さん、今のプロジェクトの『課題』をリストアップしておいて」
上司にこう言われて、私は自信満々に「資料を10ページ作る」「会議室を予約する」といった『やることリスト』を提出しました。すると上司はため息をついてこう言ったのです。
「それは『タスク』であって『課題』じゃないんだよね……」
当時の私は、正直「何が違うの? どっちもやらなきゃいけないことでしょ?」とモヤモヤしていました。でも、この2つの違いを正しく理解できていないと、いつまで経っても「目の前の作業」に追われるだけで、プロジェクトを前に進めることができないのだと後で気づきました。
実は、プロジェクト管理において「課題」と「タスク」を分けることは、「問題の根っこ」を見つけるか、「作業」をこなすかという大きな違いがあります。
この記事では、ビジネス初心者が壁にぶつかりやすい「課題」と「タスク」の決定的な違いと、プロジェクトをスムーズに動かすための整理術を、私の実体験を交えて分かりやすく解説します。
この記事を読めば、あなたも「課題の見える化」ができるようになり、チームから一目置かれる存在になれますよ!
【課題とタスクの違い】定義を明確にしよう
まずは、プロジェクトにおいてこの2つがどう使い分けられているか、その正体を見ていきましょう。
課題(Issue / Problem):解決すべき「ハードル」
- 定義: プロジェクトの目標達成を邪魔している、解決が必要な問題や不明点
- 特徴: そのままでは「何をすればいいか」がまだ決まっていない、抽象的な状態
- 例: 新製品の認知度が低い/メンバー間で情報共有が漏れている
タスク(Task):具体的な「作業・アクション」
- 定義: 課題を解決するため、または目標達成のために行う具体的な行動
- 特徴: 「誰が・いつまでに・何を」が明確で、完了・未完了が判断できる
- 例: SNS広告を出す/週1回の進捗会議を設定する
<私の実体験:課題を無視してタスクに走った失敗>
私は以前、「売上が上がらない(課題)」という状況に対して、原因を考えずに「とりあえずチラシを1,000枚配る(タスク)」を実行しました。
結果、タスクは完了しましたが、ターゲットが間違っていたため売上はまったく上がらず……。
「課題」を深掘りせずに「タスク」だけこなしても、ゴールには辿り着けないのだと痛感しました。
【比較表】プロジェクトにおける課題とタスク
| 項目 | 課題(Issue) | タスク(Task) |
|---|---|---|
| 状態 | 困っていること | やること |
| 性質 | 抽象的・解決策が必要 | 具体的なアクション |
| 問い | なぜ?(Why) | 何を?(What) |
| 管理方法 | 課題管理表で解決状況を見る | ToDoリストで完了を管理 |
【実践】「課題」を「タスク」に変換する3ステップ
上司に「課題を挙げて」と言われたら、次の手順で考えるとスムーズです。
- 現状の困りごとを書き出す(課題の抽出)
例:「スケジュールが遅れている」 - なぜそうなっているかを考える(原因分析)
例:「資料作成に時間がかかりすぎている」 - 具体的な行動に落とし込む(タスク化)
例:「資料のテンプレートを作成する」
【ポイント】
「課題」を挙げるだけで終わらせず、「どうタスクに変えるか」までセットで考えられる人は、確実に評価されます。
まとめ|課題とタスクを分けるだけで仕事は前に進む
今回は、プロジェクトを成功させるために欠かせない「課題」と「タスク」の違いを解説しました。
- 課題は、乗り越えるべき壁
- タスクは、壁を壊すための具体的な行動
今あなたが取り組んでいるのは、「作業(タスク)」でしょうか? それとも「問題解決(課題)」でしょうか。
ぜひ今日、手元のToDoリストを見ながら、「これは何の課題を解決するためのタスクだろう?」と一度考えてみてください。
それだけで、プロジェクトの全体像が驚くほどクリアになりますよ。



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