ビジネスの現場でよく耳にする「いただく」と「いただけますか」。
どちらも丁寧な言葉ですが、実は使う場面や相手との関係性によって意味合いが変わります。
私自身、新入社員の頃に「資料をいただきたいです」と伝えたところ、先輩から「お願いするときは『いただけますか』の方が自然だよ」と指摘を受けました。
その経験から、似ているようで使い分けが大切だと気づき意識するようになりました。
この記事では、この2つの表現の違いと正しい使い方を分かりやすく例文をつけて解説していきます。
「いただく」とは
「いただく」は、「もらう」「食べる」「飲む」を謙譲語で表現する言葉です。自分が相手から受け取るときや、自分の行為をへりくだって表現するときに使います。
「いただく」の使用シーン
- 食事の場での挨拶(例:「いただきます」)
- 相手から物や情報を受け取るとき
- 自分の行動をへりくだって表すとき
「いただく」例文:
- このたびは貴重なご意見をいただき、ありがとうございます。
- お名刺をいただいてもよろしいでしょうか。
※私の感覚では「いただく」は受け取る場面で幅広く使える万能ワードです。
「いただけますか」とは
「いただけますか」は、「いただく」の可能表現で、相手にお願いや依頼をする際の丁寧な表現です。
「〜していただけますか?」という形で、相手に動作をお願いするのが基本です。
「いただけますか」の使用シーン
- 依頼やお願いをする場面
- 相手の協力を求める場面
- 社内外で柔らかく丁寧に頼みたいとき
「いただけますか」例文:
- こちらの資料を明日までにご確認いただけますか。
- お時間をいただけますか。
※「〜してください」よりも柔らかい依頼表現なので、相手に圧を与えず頼める点が便利です。
「いただく」と「いただけますか」の違い
両者の違いを整理すると、次のようになります。
表現 | 意味 | 使用場面 |
---|---|---|
いただく | 相手から受け取る/自分をへりくだる | 感謝・報告・食事挨拶など |
いただけますか | 相手に依頼・お願いをする | 依頼・確認・お願いメールなど |
簡単に言うと、「いただく」=もらう/へりくだる表現、「いただけますか」=依頼の丁寧表現です。
「いただく」と「いただけますか」誤用に注意すべきポイント
- 「〜をいただけますか」は依頼の形。「〜をいただきます」は受け取る行為。
- ビジネス文書では「いただけますか」の方が相手にお願いするとき適切。
- 「〜してもらえますか」より丁寧なので社外向けに使いやすい。
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まとめ|いただくといただけますかの違いを押さえよう
- いただく=もらう/へりくだる表現
- いただけますか=依頼・お願いの丁寧表現
- 場面に応じて使い分けることで自然で礼儀正しい日本語になる
言葉のニュアンスを押さえることで、相手に敬意を持って伝えられます。
👉 明日からのビジネスメールでも安心して使える表現です。
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