「個人事業主になったら何から始めればいいの?」
最初に検討すべき手続きが「開業届」の提出です。手続き自体はシンプルですが、提出するかどうかで税金や信用面に大きな差が生まれます。
この記事では、開業届のメリット・デメリット、具体的な記入例、青色申告との関係、提出しない場合のリスクまで徹底解説します。
開業届とは?
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。事業を始めたことを税務署へ届け出る書類です。
- 提出先:納税地を管轄する税務署
- 提出期限:開業日から1か月以内
提出義務はありますが罰則はありません。ただし、提出しないと青色申告ができないという大きなデメリットがあります。
開業届を出す最大のメリット
① 青色申告で最大65万円控除
開業届と同時に「青色申告承認申請書」を提出すると、青色申告が可能になります。
青色申告特別控除は最大65万円(電子申告または電子帳簿保存が条件)。
▼ 節税シミュレーション
例:年間所得300万円の場合
- 青色申告なし → 所得300万円
- 青色65万円控除 → 所得235万円
この差額65万円に対して所得税・住民税が軽減されます。税率20%なら約13万円の節税効果になります。
提出期限:
- 原則:開業日から2か月以内
- 1月1日〜1月15日開業の場合:3月15日まで
② 屋号付き口座が作れる
屋号付き銀行口座を開設でき、事業用資金を分けて管理できます。信用面でも有利です。
③ 小規模企業共済に加入できる
掛金全額が所得控除対象。強力な節税+退職金制度になります。
開業届のデメリットは?
① 失業保険との関係
副業状態で提出すると「就業」と判断される可能性があります。退職予定がある場合は事前確認を。
② 扶養との関係
提出自体で扶養から外れることはありません。所得が基準を超えた場合のみ影響します。
開業届の書き方(記入例つき)
主な記入項目
- 納税地:通常は住所地
- 職業:例「Webデザイナー」「広告運用業」など具体的に
- 屋号:空欄でも可(後から変更可能)
- 事業の概要:例「Webサイト制作および広告運用代行」
- 開業日:実際に事業を開始した日
事業開始日は過去日でも問題ありません(合理的範囲内)。
提出方法
① 税務署へ持参
その場で確認できる。控えに受付印をもらう。
② 郵送
控え用コピー+返信用封筒を同封。
③ e-Tax
マイナンバーカードがあればオンライン提出可能。最も効率的。
開業届を出さないとバレる?
提出しなくても直ちに罰則はありません。
ただし、以下の場合に実質的に把握されます。
- 確定申告をする
- 支払調書が提出される
- インボイス登録をする
つまり「バレるかどうか」よりも「出しておいた方が圧倒的に有利」です。
インボイス制度との関係
課税事業者としてインボイス登録をする場合、事業実態の明確化が重要になります。開業届を出しておくことで手続きがスムーズになります。
まとめ
- 罰則はないが提出メリットは大きい
- 最大の目的は青色申告65万円控除
- 期限に注意(青色は2か月以内)
- 副業・失業保険との関係は要確認
開業届は、事業を正式にスタートさせるスイッチのようなものです。難しく考えず、早めに提出して節税メリットを確実に受け取りましょう。


コメント