業務で許可をもらうとき、「これは容認なのか?」「ちゃんと承認されたのか?」と迷った経験ってありますよね。
私も新人の頃、上司に書類を出したら「うーん…まあ容認はする」と言われて、「……それってOK扱いでいいの?」と困ったことがありました。
この2つは似ているように見えて、実は“温度差”がかなり大きい言葉なんです。
ここでは、その違いをわかりやすく整理しつつ、仕事で正しく使い分けるためのポイントをまとめていきますね。
◆ 結論:まずここだけ押さえておけばOK
- 容認=しぶしぶ受け入れる・賛成ではないけど止めない
- 承認=正式なOK・責任を持って許可する
この違いを理解しておくだけで、稟議や社内調整がだいぶラクになります。
◆ 「容認」:100点ではないけど、妨げはしない“消極的OK”
容認は一言で言えば、
「まあ…いいよ。完璧じゃないけど、このまま進めてもいいかな」
というニュアンスです。
- 気に入っているわけではない
- 積極的な支持でもない
- 反対するほどでもないので流す
だからこそ、“軽いOK”という位置づけなんですね。
よくある使われ方は、
- コストは微妙だけど許容範囲 →「今回は容認します」
- 完璧じゃないけど進行を止めない →「そのやり方で容認」
ただし、容認は責任の線があいまいになりやすいので、実務では少し注意したいところです。
◆ 「承認」:正式なOK。責任を持つ“本物の許可”
承認は、
「これは正式にOKです。責任を持って許可します」
という意味になります。
- 決裁者が責任を持って許可する
- 書類・システムに記録される
- 稟議・経費・発注など“会社が動く”ときに必要
なので、承認は仕事を進めるうえでの“最終OK”という扱いです。
よくある使われ方は、
- 稟議書を承認
- 契約内容を承認
- 経費申請を承認
容認とは重みがまったく違います。
◆ 違いを一覧でパッと把握
| 項目 | 容認 | 承認 |
|---|---|---|
| ニュアンス | 消極的OK | 正式なOK |
| 気持ち | あまり賛成していない | 明確に許可 |
| 責任 | あいまい | 決裁者が負う |
| 書類・手続き | 不要なことが多い | 必ず必要 |
| 使う場面 | 進行を止めないための許容 | 物事を動かす最終許可 |
同じ「OK」でも、レベルの違いがはっきり見えてきますね。
◆ ビジネス現場での使い分けポイント
① 判断を明確にしたいときは「承認」
プロジェクト・契約・支払いなど、後で責任問題になりそうな内容は必ず承認を取りましょう。
② 軽い確認なら「容認」で十分
段取り変更やスケジュール調整など、そこまで重くない話なら容認で問題ありません。
③ 上司から「容認」と言われたら一言確認すると安心
例えば、
- 「承認ではなく容認という理解で大丈夫ですか?」
- 「進行の責任はこちらで持つ形でよいですか?」
この2つを確認するだけで、後になってトラブルになる可能性がぐっと下がります。
◆ 例文でイメージしやすく
● 容認の例
- 「現行スケジュールは厳しいですが、この条件であれば容認します。」
→ 納得はしていないが反対もしない - 「今回は容認しますが、次回は改善をお願いします。」
→ あくまで今回だけOK
● 承認の例
- 「本件、部長より正式に承認されましたので手続きを進めてください。」
→ 業務が動く状態 - 「改訂後の見積書を承認済みです。」
→ 決裁完了
◆ まとめ
- 容認=しぶしぶOK
- 承認=正式OK
- ビジネスでは「承認」が決裁、「容認」は軽い許容
- 上司から容認と言われたら責任の線引きを確認すると安心
この2つの違いを押さえておくと、社内調整のストレスがかなり減ります。
仕事でもやり取りがスムーズになって、余計な気疲れも防げますよ。



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