夏休みに入って、次男くんの宿題に目を通していた時のことです。
「明日」という漢字に「あした」とフリガナをうっていました。
うん、うん。間違いない。 でも、ちょっとまてよ。これって「あす」とも読むよね?
どちらが正しいのだろう??
ちょっと気になって、調べてみることにしました。
「明日」「あす」「あした」の違い??意味や語源を調べてみると…
語源的なことからみると、「あす」というのは、昔から「きょう」の次の日を意味しているそうです。
一方、「あした」は「ゆうべ」に対する「朝」を意味していたのだそうです。
一日の終わりが「ゆうべ」「日暮れ」なので「あした」は「きょうのゆうべ(日暮れ)の次の日」と言うことになります。
つまり、今の言葉で言うところの「翌朝」のことをさしていたのだそうです。
それが、「あした」は「朝」の意味から「翌日の午前中」となって、さらに「翌日」へと意味が広がっていったのだそう。
ちなみに、昔は
訳 :次の日は 宮中が物忌みで 外出を控える日
訳 :山と空の間が 明るくなる 次の日の朝から
といったように使い分けられていたのだそうです。
現在では、「あした」は砕けた表現で、「あした」→「あす」→「みょうにち」の順に改まった表現になっていっているようです。
会話の中では「あした」が主流.書き言葉では「あす」が主流
そして、会話の中では「あした」が主流になっていて、書き言葉では「あす」が主流になっています。
発音上も「あした」は聞き取りやすいこともあって、「あす」よりも一般的に使用される言い方になっています。
「あす」は「あした」よりもやや改まった言い方になっていて、書き言葉やフォーマルな場面などで主に用いられます。
「みょうにち」
そして、さらに改まった言い方が「みょうにち」となって、やや古風な硬い読み方のような感じがします。公の式典や儀礼的なイベントなどで、会場に向けて言葉を述べる時などに用いる言い方となります。
「みょうにち」を挨拶などで使う場合は、対応する言葉としての「昨日」は「さくじつ」と読むようになります。「きのう」という読み方が「あした」に対応する日常的な読み方となります。
「あす」であり、「あした」は無い
そして、私の疑問の答えですが・・・
常用漢字の付表における熟語では「明日」の読み方は「あす」であり、「あした」は無いのだそうです。
ということは、子どもの宿題~間違っている(><)
というか、日本語、難しすぎっ!!
「明日」を「あした」と読むのは、漢字2文字以上をまとめて日本語1語で読んでしまう熟語訓の一種なのだそうです。
決して間違いではないそうなのですが熟語訓の中にも「常用漢字表」で認められているものとそうでないものがあるのらしいのです。
「常用漢字表」とは、
現代社会における漢字の使い方の基準を定めたものなのですが、その中には、主に熟字訓の使い方を定めた「付表」が含まれています。この「付表」に「明日」は含まれていて、読み方は「あす」しかあげられていないのだそうです。
なので、「常用漢字表」では「明日」を「あす」と読むことは認めているのですが、「あした」と読むことは認めていない、ということになるのだそうです。
「明日」を「あした」と読むことが間違いだと主張される方がいるとすればそれは「常用漢字表」に忠実に従った主張と言うことになります。
実際、義務教育は「常用漢字表」の範囲内で行う事が建て前なので、先生によっては「明日」は「あした」とは読まないという指導をされる方もいるのだとか。
「あす」「あした」の例文
では、「あす」「あした」の例文を、いくつか書いてみたいと思います。
「あす」
・あす、あさってとも厳しい暑さになるため、熱中症には十分お気をつけください。
・あすは、わが身。
・あすの日本を担うのは、君たち若者だ。
「あした」
・あしたの2時ごろって、空いてる?
・「あしたやろう」「あしたでいいや」と思わずに、すぐに始めるのが得策。
・あしたは遠足だ。
まとめ
・「明日」は「あした」「あす」「みょうにち」の順に改まった表現になる。
・「あした」はもともと「翌朝」をさしていた。
・「あした」という読み方は「常用漢字表」にはのっていない。
「明日」ひとつの漢字で、読み方が3つもあるなんて、本当に日本語って難しいですよね。
よく、外国の人が日本語を勉強する時に漢字を覚えるのが難しいという理由がわかりますよね。日本人でも、意味や使い方を完全に理解していないくらいですもの(笑)
なので、意味と使い方をしっかりと理解すると、この難しい日本語を流暢に操ることができるようになるのではないでしょうか。
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