ある日の我が家の会話。
「お母さん、今日ね、図書室の運営委員に選ばれたんだ」と長男くん。
ふむふむ、運営委員。図書室を運営する係りのことですね(^^)
「僕、経営者だね」
・・・ん~?? 経営者ではないような・・・??
「経営」と「運営」の違いって??それぞれに意味や目的はある?!
皆さんは、経営と運営の違いってわかりますか??
どちらも、何かしらの組織をまとめて動かしていくようなイメージを受けますが、明確な違いについてはよくわからないですね。どちらも似た意味あいを持つ言葉のように感じます。
今回は、その経営と運営の違いについてみていきたいと思います。
まずは、それぞれの意味を調べてみることにします。
経営とは
運営とは
この意味を見るだけでは、いまいち、違いがわかりませんよね?
では、事業とはいったい何を指すのでしょうか?
事業とは
それを踏まえて、よりわかりやすく言い換えると、
つまり、そこには「収益が生まれる可能性」があります。
つまり、「収益は目的ではない」。
ということです。
例えば、会社経営は収益を生みますよね? 利益を上げることで社員を抱えて会社の経営を成り立たせます。
けれど、我が家の長男くんのように、図書室を運営することでは、収益は生まれません。
ここまでで、経営と運営の違い、何となくわかってきたような気がしませんか?
運営の目的とは
「運営」に関していえば、この言葉を説明する際に、一切「事業」や「収益・利益」といった言葉は出てこないのです。つまり、運営の目的は収益化することではないと言うことになりますね。
そうなると、運営の目的っていったい何なんでしょうか??
それは「組織の効率化を図る」事になります。
我が家の長男くんの話を例に考えてみると、図書室運営委員とは聞いたことがありますが、図書館経営はあまり耳にしたことがないですよね?
これは、図書室運営がけっしてお金を目的にしているわけではないからです。
図書室の運営は、そこを利用する人たちがよりスムーズに、本の貸し出しを受けることができるように、図書室を整理したり、受付で貸し出し業務を行うわけです。図書運営委員には、収益は発生しませんよね。
つまり運営は、組織の効率化を図ることが目的なのです。
運営は、与えられた目的・機能をよりよく達成していくために、人や物を活用することになります。
経営の目的とは
逆に経営は、収益を最大化するために、人や物、資金なんかを活用する活動になります。
収益を最大化させるためには、お客様に満足してもらい、それに見合った対価をもらわなければなりません。お客様のニーズは、日々変化していくので。昨日まで売れていたものが今日になったら突然売れなくなるなんてことも、当たり前に起こってくるのです。
なので、経営者はこのようなニーズの変化に対応するために、事業内容や取り扱う商品、組織の構造などをその都度作り変えていく必要があるのです。
このように、運営と経営では、目的の違いのために、体制作りの発想が変わっていきます。
まとめ
・経営は、事業目的を達成するために、継続的・計画的に意思決定を行って実行に移し、事業を管理・遂行すること。また、そのための組織体。
・運営は、団体などの機能を発揮させることができるように、組織をまとめて動かして行
くこと。
・経営は、事業目的を達成するために、継続的・計画的に事業を管理遂行することで、そこには「収益が生まれる可能性」がある。
・運営は、団体の機能を発揮させることができるように組織をまとめて動かして行くことで「収益は目的ではない」。
・図書室は運営して、経営はしない。
こうやって考えてみると、確かにどちらも似た意味の言葉ではありますが、細かく見ると二つの言葉は全然違うことがわかりますよね?
「経営」と「運営」の意味を使い分けられることで、仕事の質さえも変わってくるような気がしませんか?
早速、我が家の長男くんにも教えてあげたいと思います(^^)
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